Fauna+DeSIGN 一級建築士事務所ファウナ・プラス・デザイン
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家庭動物の行動に関して考えていくと、私の場合、B.F.スキナー博士の行動分析に帰ってしまいます。
いろいろと説明が面倒なので、犬や猫に関する話をするときには「動物行動学」と言ってしまうことが多いのですが、たぶん今まで私が「住まい」を通して研究してきたことは、エソロジーとは少し異なるものだと思います。

さて、犬のしつけの世界には「陽性強化法」とよぶものがあります。
<ほめるしつけ=陽性強化法=あたらしい正しいしつけ>と認識されているようです。
それは、行動分析学の伝統的な日本語訳だと「正の強化」の事でしょう。

B.F.スキナー博士は、罰の副作用と「正の強化」による理想的な世界のありかたを多くの著作で述べています。詳しく知りたい方は、現在でも入手しやすいスキナー博士の著書「科学と人間行動」や最近あたらしく翻訳された「自由と尊厳を超えて」訳:山形浩生を読むとよいでしょう。

飼い主が自身の行動の随伴性に自覚的であれば、問題行動やしつけの話は、ずいぶんスッキリします。
ですから、この続きは拙著「ペットと暮らす住まいのデザイン」(2013.10.30発行) の第4章をお読みください。
B.F.スキナー博士が創った「行動分析」を用いて、犬と飼い主と住まいについてまとめました。
たぶん、世の中にばらばらに存在していた話を、「住まい」を舞台にうまく1箇所に集められたと思います。

2013.11.18追記
おかげさまで、「ペットと暮らす住まいのデザイン」 著:廣瀬慶二(丸善出版)は出版以来、建築書のベストセラーとなり、供給が間に合わず、今は入手困難となっていますが、常に重版が予定されておりますのでご安心ください。

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「ペット共生住宅」と呼ばれるモノ(又は概念)に対して、
ファウナプラスデザインは、現在、明確な「答え」を持っています。

家の中で過ごす「ヒト」と「動物」の間に起こる行動は、
日常生活の中で偶発的に生じているわけではなく、
多分に「家の間取り」の影響を受けて規則的・必然的に発生していることを
長年のフィールドワーク(=「ペットとの住まい方調査」)を通して、
確認することができました。

さらに、現在では、
家の中で起こっている、飼い主と犬の「関係性」については、
・犬に対して飼い主が行う行動が、「自覚的である/無意識である」
・屋内での犬の特徴的な行動を飼い主が問題行動として、「認識している/許している」
などの区別をせずに、
家庭内で起こっている、「ありのままの状態」を「オペラント条件づけ」として把握し、
「間取り」との関係性を発見する研究を行っています。

弁別、強化、消去など、行動分析における明快な科学的法則に当てはめて把握した家庭内のトラブルは、当然のこととして、それを「操作する」ことができます。そして、その操作に「新たな住宅の間取り」を用いることで、「犬と暮らす家の間取り」は完成形となると考えています。将来的には「しつけ」や「トレーニング」に無自覚でいられるような家を、デザインすることが出来るでしょう。ただし、飼い主の介入なしでの実現はありえません。

※上記は「中央動物専門学校動物共生研究科での講義用に書いた資料からの抜粋です。
2009.6.14(2013.10.30編)

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欧米の住宅と日本の住宅を比較した場合、
一番わかりやすい違いは
日本人は家の中で「靴を脱ぐ」という要素です。
ですから、必ず「玄関−土間」というものが存在します。
そして、そこはどうしても、機能上、人も犬も、
「一時的な訪問者と対峙する場」になってしまいます。
飼い主さんは2畳くらいの狭い空間で、
靴を履いたままの訪問者と1段上がった場所でやりとりをするわけですから、
側にいる犬にとっては自然と身構える雰囲気が出来上がってしまうでしょう。
またその逆もあって、飼い主さんや大好きなお客さんが
「お別れの際に撫で撫でする」特別な場として認識している場合もあります。
いずれにせよ、日本の家の玄関はニュートラルな場になりにくいので、
土足で生活する欧米の家とは、空間の機能にかなりの違いがあります。

このように「玄関」ひとつとってみても、犬にとって特別な意味があり、
また、人間側も無意識のうちに「空間によって行動を支配されている」
ことを自覚すれば、その他の部分でも快適な生活のヒントがたくさん発見できるはずです。

便利そうな設備や建材を使ってみるだけではなく、
犬の心理や行動を理解しながら、
(ここが本質なのですが)家の中での自分の行動を意識すれば、
「しつけ」がしやすい環境をうまく創り出すことが出来て、
きっと、日本人に適した「理想の犬と暮らす家」のカタチが見えてくるはずです。
(つづく)

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ドッグフェンスは必要です。
設置する場所は、ケースバイケース。
しかし、必要に迫られて仕方なく設置するのと、
あらかじめ家の中での動線や
「犬の心理」を想定した上で
適切な場所に設置するのとでは大違い。
綺麗に見せるにはそれなりの苦労がいります。

それから、最近は「片開きドアのドッグフェンス」は
あまり採用していない。
開閉に必要な空間が無駄になるから。
スライド式を標準装備とすることが多くなった。

※写真のものです。

スライド式で、上部にレール(鴨居)が無い構造だから
造るのはちょっとややこしいのですが、、
使い勝手はすごくいい。
私の自信作です。


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犬のトイレの位置は、定位置であるのがよいとは思うが、
現実的には、ペットシートを使っている場合など、
人間の都合で、あちこち移動したりする。

犬のトイレを室内に置く場合、何を最優先に考えるか?、また
もっとも適した位置はどのようにして決められるかは、
非常に難しい問題ではあるのだが(食糞とかありますからね。。。)
実は、動物建築計画学的には(要するに私は)あまり重要視していない。

しかし、衛生上、世話のしやすさを向上するための工夫はある。
それが保育所などで用いられている「汚物流し」という衛生陶器だ。
デザイン的には写真にある壁掛け型が好ましいと思う。
あと、これらが便利な場所に、かつ、見えにくい場所に設置されていることが大切。

家の中で、犬の糞を包んだトイレットペーパーを持って、
人間のトイレまで長距離では無いにしても、歩いて処理しに行くのは、
あまり気分のいいものではない。

このような設備を、多頭飼いのお宅の設計では、
特に使うようにしている。


fpd
配達の人が来ると玄関で吠え続けるワンちゃんがいます。
印鑑を押したりしてお仕事が終わると配達の人は帰ります。
犬も配達の人が帰ると吠えるのを止めます。
それは吠える仕事が終わったからです。
犬には配達という人間の仕事が簡単には分かりませんから
「知らない人を追い返す」仕事だと考えるのです。
そしてその仕事は100%達成できるので満足感がありますが
何故か飼い主には誉めてもらえない。それどころか、
飼い主は犬が吠えることに怒って、大きい声を出しています。
「親分も一緒に吠えている!だからもっと吠えなきゃ!」
案外、犬はそんな風に考えているかもしれません。
この状態を私は「ポストマン・シンドローム」と呼んでいます。
この悪循環を断ち切るためには、犬が(人間が)無駄吠えをしないように
躾ることが大切です。建築的にはポストマン・シンドロームに陥らないように
玄関と犬の居住スペースをできるだけ離して、
視界からも外す様にしています。

あらゆる家庭内のしつけに共通するのは、
それなりの広さ、バッファーゾーンが必要だと言うことです。

犬と暮らす家を設計する場合、私は
無駄とも思えるくらい、玄関ポーチや玄関は広くとりたいと思っています。


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大型犬は後足で立ち、前足で物を押さえつける力が強い。
また、好奇心旺盛な彼らは隣の部屋で主人が何やら楽しげなことをしていると
どうしても見てみたい衝動にかられる。高い位置に覗き穴のような開口部があると、
確実に破壊します。それを叱っても仕方がありません。(注1)彼らの習性なのだから。

写真は「犬窓(いぬマド)」です。
犬の部屋にマドを付けた場合、人間が中を覗くためのものと普通は思われがちですが、
私の設計理論では違います。その反対です。

「犬窓(いぬマド)は犬が人間の足下を見るための情緒安定装置です。」

低い位置に付けているのは上記の理由に因ります。

注1)
「仕方ありません」とはいうものの、犬にやって欲しくないことは、
ほとんど訓練で解決できます。
しかし、高い位置の開口部を傷つける行為に対して、それを一時的に制止する場合、
飼い主は、物理的に犬に近づくことになりますから
開口部を傷つけると自分に構ってもらえるという結果が「報酬」となってしまうのです。
回りくどい訓練法はありますが、建築で出来る部分は建築でやればよいと私は考えます。



カテゴリ : 犬の安全を考える
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Emergency Sticker(エマージェンシーステッカー)というものがある。
アメリカの文献を読んでいると時々出てくる。
アメリカのペットショップをwebで覗くと結構売っています。(写真:上)
何かというと、火事や地震の時に、家の中に閉じこめられてしまった動物を
助けてやって下さいと、レスキューの方々に伝える看板です。
「私の家には○○犬が○匹、猫が○匹います」と玄関などに表示する。

阪神大震災でまともに被災した私にとっては、効力があるのかどうか(余裕があるのかどうか)
判断が難しいのですが、時間が経つとあらゆる被災地で「被災動物」という問題が出てくるので、
やれるだけのことはやった方が良いと思う。
災害救助というのは、行政組織任せじゃなくて、地域住民の結束というか助け合いが、
もっとも重要で、近隣の助け合いの中には必ず犬・猫も含まれてくるはずだ。
ちなみに家の犬は地震の時、慌てず騒がず、布団の中で丸くなっていました。

さて、このエマージェンシーステッカー本来の目的以外に防犯的な効果があることを見逃してはいけない。
よく「猛犬注意!」っていうステッカーを街で見かけますが、あれは案外「どろぼう対策」になっている。
だから、私も、外国製のを流用するのではなくて、日本語のオリジナル品を作りました。
表札とセットになっています。(写真:下) 結構オシャレです。


















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どうでもよいものはたくさんあるがいざ探してもなかなか見つからないペット用品の代表がリードフックである。
写真の様に玄関先に取り付けてドアを開ける際に、一時的にリードを結びつける。
とても便利。
ヨーロッパでは道端に犬のステーションがあるのでこのような金具は時々見ることが出来る。
ところが、こーゆーので
いいデザインで耐候性のあるもの(ステンレス製とか)
は日本ではほとんどといっていいぐらい店頭には置いていない。
ファウナの建築で使っているのは写真の物。
オールステンレス製で形もGOOD。
ちなみに小売店では売っていません。


fpd
「犬の部屋を作るなんて贅沢だ。」と多くの人は思うだろう。
でも、犬の部屋と言ったって天井の高さはそんなにいらないのです。
だから、犬の部屋の上部にもう1つ部屋を作れば、贅沢じゃない!と私は思う。
結局、中2階型のロフトとなるわけですが、
普通のロフトは結構高い位置にあって2.4mもハシゴで登るのって怖くないですか?
犬の部屋の上部にあるロフトなら、せいぜい1.5mぐらい。
だから万が一落ちても大けがをしません。(人間が)

写真は、犬の部屋+子供部屋のロフト。
子供さんも大喜びです。
そして、なかなか楽しい景色が生まれます。
こういうのが、狭い日本の家でも実現できる、犬と暮らす豊かさってもんじゃないかと思う。

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