2006年5月10日

犬と暮らす家とは

ペット共生住宅とはなにか?

世間では「ペット共生住宅」という言葉が何か特別なものを意味するかのように一人歩きしていますが、どんな家だって犬や猫が家の中に居れば「共生」することになるのだから、とりたてて騒ぐほどのことではないのかもしれません。 とはいうものの私自身「犬と暮らす家」を専門に設計しているわけで、「共生」については正確に述べる必要があるでしょう。

犬は昔から人の側にいて仕事をしてきました。彼らは今も変わらず仕事をしたがっているのですが、人間が彼らに求めるものが変化してしまいました。伴侶動物として人の側に居て欲しいと強く望まれるようになったのです。 どのように側に居て欲しいのかは各家族によって違います。そして犬にとっての家族(=群)の構成員は、ほとんどが人間なわけですから、客観的に見ると、私たちは彼らの精神に大きな影響を与えていると言えるでしょう。 もちろん生活の場である家もその要素になります。犬は犬の生活を勝手に送っているわけではなく、依存するそれぞれの飼い主の影響を受けながら生活しています。 飼い主が機会を持って促さないと子犬は十分な社会化期を過ごすことができませんし、人間のように自主的な社会参加を通して規範的な行動を自覚することもありません。

飼い主が最後まで全てにおいて責任を持って共に生きなければならない。故に「共生」なのです。

私は「犬を取り込んでしまった家族」の「共生の状況」を正確に把握することが、「犬と暮らす家」を設計する際のプロセスになると考えています。 つまり、犬を対象とした「ペット共生住宅」とは犬用の設備や特別な建材を用いた「箱」のことではなく、「新しい家族形態」に対応できる住宅のことなのです。