2009年11月5日

猫と暮らす家とは

猫の問題行動を回避するいくつかの試み

上記の例は、些細なきっかけで起こった、破壊行動の1シーンです。 このほかにもドアを傷つけたり、マーキングしたり、 人間からみれば「問題行動」と呼べる困った事を猫は次々としてくれますが、 さまざまな猫の問題行動の内、家に関する困りごとについては、「退屈させない空間」を猫に与えることで、 ほとんど解決できることを私は自分の設計を通して確認しています。

また、多頭飼いが理由で問題が顕著になる場合には、「個体群密度」を可能な限り低くすることで、 問題を起きにくくすることができます。 猫には猫のルールがあって、彼らは時間と空間を意識しながら、猫同士のトラブルを起こさないように ある程度の秩序を持って行動しています。 ところが、自分の意思に関わらず、狭い空間の中で複数の猫と暮らすことになると 自分の優位性をアピールするために爪とぎも含めたマーキングを頻繁に行う傾向があります。 単純に広い家に住めば、個体群密度は低くなりそうなものですが、それだと猫の姿をほとんど見ることなく一日が終わり、 猫と一緒に暮らす喜びも無くなってしまいますから、ここは一つ「建築的」な解決法が望まれるべきでしょう。

例えば、 The Cats' house(2009年8月竣工)のような 「猫の生態」をきちんと把握した上で、彼らの身体寸法に合った立体的な多層的空間を創造(*1)し、 猫にとって必要なもの(麻縄を巻いた爪とぎ柱など)をあらかじめ家の構成要素の一つとして 用意しておくと、家を破壊されることもなく(*2)、 人も猫もストレスが少なくて済む、幸せな暮らしが実現できます。

■注釈
*1:猫専用の通路などを空中に設けることで、25㎡以上の猫専用空間を確保した。
*2:15匹の猫が居た建て替え前の家では、あらゆる部分が破壊・汚染されていた。
The Cats' Houseでは、2ヶ月を経過した現在、 猫による室内空間の破壊・汚染は全く確認されていない。