猫と暮らす家

猫柱とキャットウォークが巡る、光あふれるリビング。

猫は、与えられた住宅に住むのではない。自分の「家(Home)」をつくりながら生きている。

「猫のために何かを追加する」という発想では、猫と暮らす家(Home)にはなりません。

完全室内飼育が当たり前になった今、多くの猫が本来の能力を持て余しています。捕食動物として木に登り、高所から獲物を観察し、縄張りをパトロールしてきた猫の本能は、4つの壁の中では行き場を失っています。太っている猫が増えているのは、猫の問題ではなく、家(住宅)の問題です。運動ができて退屈しない仕組みが必要です。

猫が「わがや(Home)」だと感じられる空間をつくること。それがファウナ・プラス・デザインの、猫と暮らす家づくりの出発点です。

猫にとっての「家(Home)」とは何か

都市計画家ケヴィン・リンチは、人が都市を5つの要素で認識すると提唱しました。この理論は、猫が住まい(Dwelling)をどう認識するかにそのまま当てはまります。

  • パス(動線) ── キャットウォーク・猫階段。縦に登るだけでなく、横への移動ができてはじめて「道」になる。
  • エッジ(縄張りの境界) ── 猫のテリトリーの境界線。設計ではこれを「安全な境界」としてデザインする。
  • ディストリクト(小さなテリトリー) ── 日向ぼっこの場所、眠る場所、食事場所、トイレ。「ここは自分の場所だ」と感じるエリア。
  • ノード(結節点) ── 動線が交わる要所。猫が思わず立ち止まり、周囲を見回す場所。
  • ランドマーク(目標物) ── 家全体を把握するための基準点。猫が「家の構造を覚える」ための目印。

これらが揃って初めて、猫は「ここがわが家(Home)だ」と感じます。キャットタワーを1本置いただけでは、パスが1本できるだけ。猫の Home にはなりません。

吹き抜けに広がる猫たちの立体的な動線

設計の実践

キャットウォーク設計の5つのルール

雑誌やSNSで見かけるキャットウォークの多くは、行動学的な合理性が欠けています。20年以上の経験から定めたルールがあります。

  1. 「そこにある理由」が必要 ── 猫が使う複数のスペース間を結ぶ経路として機能して、はじめて意味が生まれる。ただ壁に板を取り付けるだけでは、すぐに使われなくなる。
  2. 一方通行で行き止まりはダメ ── 家の中をひとつの町に見立てると、行き止まりの路地は治安が悪くなり汚れる。猫の家でも同じことが起きる。
  3. 清掃できなくてはいけない ── 高い場所にあるものは掃除が面倒になりがちだが、猫が使う以上、衛生管理は必須。
  4. 猫が歩いている姿を楽しめること ── せっかくつくるなら、猫の美しい動きを鑑賞できる配置にしたい。
  5. 猫がすれ違えるだけの幅があること ── 多頭飼育では特に重要。幅が足りないとキャットウォーク上で争いが起きる。
壁にあけられた「猫穴」から猫が一歩を踏み出す

猫トイレは設計段階から

猫トイレは「後から置く」ものではありません。防水パンのある専用スペースを間取りに組み込み、換気と猫砂の飛び散り対策を一体で解決します。

猫トイレ、猫ダイニング

脱走防止の徹底

玄関の二重ドア、両面サムターン錠、猫が通り抜けられないが風が入る窓、バルコニーの縦格子。これらは設計段階で一体として計画します。後付けでは、どこかに必ず抜け穴ができます。先に述べたエッジを確実につくります。

小屋裏のメインキャットウォークを悠々と歩く猫

作品

The Cat's House OZ邸
The Cat's House OZ邸
The Cat's House OZ邸
The Cat's House OZ邸
Catioがある家
Catioがある家 The Cats' House *On邸
猫の岩盤浴
猫の岩盤浴
組子細工キャットウォーク
組子細工キャットウォーク
組子細工キャットウォーク上の猫
組子細工キャットウォーク上の猫

設計のご相談

猫が「わがや(Home)」と感じられる住まい(Dwelling)を、建築の力でつくります。新築・リフォーム・コンサルティングのご相談はお気軽にどうぞ。

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